CSエージェント for 歯科医院

歯科医院のAI電話受付でできること|転送・自動切替・文字起こしまで機能を解説

2026年6月2日

歯科医院のAI電話受付でできること|転送・自動切替・文字起こしまで機能を解説

はじめに:なぜ歯科医院に「AI電話の一次受付」が必要か?

歯科医院の受付業務において、人手不足やスタッフの退職・採用難といった課題が深刻化しています。特に、診療補助(アシスト)や会計業務の最中に電話が鳴ると、対応が遅れたり診療が中断されたりして、目の前の患者さまに不満を与えてしまうリスクがあります。

歯科医院の受付で電話対応に追われるスタッフ

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、AIによる電話の「一次受付」サービスです。これは「診療を止めずに、電話の取りこぼしを防ぐ」ことをコンセプトに、スタッフに代わってAIが着信応答を担う仕組みです。

しかし、導入を検討する院長先生や事務長さまの中には、「実際にどのような設定ができるのか」「現場の運用にどうフィットするのか」が分からず、導入の決断やスタッフへの説明(院内での稟議や合意形成)に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。本記事では、歯科医院のAI電話受付において提供される具体的な機能(転送設定、自動切替、文字起こしなど)を、実際の臨床シーンに沿って1つずつ詳しく解説します。

AI電話の「一次受付」機能1〜3:電話の取りこぼしを防ぐ設定

歯科医院の受付では、電話に出られないタイミングが多々発生します。まずは、そのような「出られない電話」の取りこぼしを防ぐための3つの基本機能と、現場での活用シーンをご紹介します。

話中転送・無応答転送・自動切替のイメージ

1. 話中転送:別の電話対応中の取りこぼしを防ぐ

「話中転送」とは、すでに別の電話に対応しており、通話中で出られない着信に対してAIが代わりに一次受付する機能です。

朝一番や休み明けの診療時間直後は、予約変更や急患の問い合わせなどで電話が集中しやすい時間帯です。スタッフが1件の対応に追われている間に別の患者さまからの着信があると、従来の電話機では話し中(ツー・ツー音)となってしまい、連絡の機会を逃してしまいます。話中転送を設定しておけば、そのような着信もAIが自動で応答して用件を聞き取ってくれるため、電話の取りこぼしを確実に防ぐことができます。

2. 無応答転送:診療や会計で手が離せない場面をカバー

「無応答転送」は、着信から一定時間(たとえば数秒〜十数秒など)応答がなかった場合に、自動でAI対応へ転送する機能です。

歯科の現場では、受付スタッフが常に電話機の前で待機できるとは限りません。たとえば、診療室でバキューム操作などの診療補助を行っている最中や、自費診療(インプラントや矯正など、保険適用外の診療)の複雑なカウンセリングを実施している場面、または複数の患者さまの会計や次回アポイントの調整が重なっている場面などが考えられます。すぐに受話器を取れない状況であっても、あらかじめ設定した時間が経過すればAIが代わって電話を取るため、スタッフは「目の前の業務」を落ち着いて完了させることができます。

3. 診療時間に応じた自動切替:昼休み・休診日の対応を自動化

「診療時間に応じた自動切替」は、あらかじめ設定した時間帯(昼休みや休診日など)になると、電話対応をAIへ自動で切り替える機能です。

スタッフの休憩時間を確保するため、昼休みの間は留守番電話に設定している医院も多いことでしょう。しかし、留守番電話では「ピーッという発信音の後にメッセージを録音してください」という一方的な案内になりがちで、患者さまが途中で電話を切ってしまうことも少なくありません。AIであれば、対話形式で要件や症状を聞き出せるため、時間外における急な連絡や予約の希望も漏らさず記録として残すことが可能です。

AI電話の「一次受付」機能4〜7:効率的な振り分けと情報共有

続いて、医院の運用をさらに効率化し、スタッフ間の情報共有をスムーズにするための4つの機能をご紹介します。

振り分けや文字起こし・通知機能のイメージ

4. 全件一次受付:受付スタッフが少ない曜日・時間帯に最適

特定の時間帯や曜日に、すべての着信をまずはAIに一次受付させる運用が「全件一次受付」です。

たとえば、「木曜日は受付スタッフの手配が手薄になる」「夕方17時以降は保険診療(むし歯治療など)の患者さまで待合室が混雑する」といった院内事情がある場合、電話対応を一時的にすべてAIに任せることで、スタッフは来院している患者さまの対応に専念できます。AIがヒアリングした内容はすぐに記録されるため、スタッフは手の空いたタイミングで内容を確認し、緊急性の高いものから順に折り返すといった計画的な業務進行が可能になります。

5. 内容に応じた転送設定:急患とそれ以外を自動で振り分け

AIが電話の用件を聞き取り、その内容に応じて転送先を振り分ける機能です。

歯科において、「急性歯髄炎(きゅうせいしずいえん:むし歯が神経まで達してズキズキと強く痛む状態)」や、「外傷による歯の破折(転倒などで歯が折れたり抜けたりした状態)」などの急患は、一刻も早い処置と緊急の判断が求められます。このような「強い痛みがある」「急ぎで相談したい」といった緊急性の高い電話のみ、AIから医院の代表電話や指定の電話機へ即座に転送させることができます。 一方で、通常の予約変更希望や、業者からの営業電話などはAIがそのまま対応を継続して内容を記録するため、急患対応のスピードを落とさずに不要な業務の負担を軽減できます。(※予約の自動確定などは、上位プランでの機能となります)

6. 文字起こし・音声再生:正確な記録で引き継ぎをスムーズに

AIがヒアリングした受電内容は、自動でテキスト(文字起こし)化され、同時に音声データとしても保存されます。

スタッフが後から折り返し電話をする際、この機能は非常に役立ちます。「誰から、どのような用件でかかってきたか」がテキストで明確に残るため、再ヒアリングの手間を省くことができます。また、高齢の患者さま特有の聞き取りづらい固有名詞や、「義歯(入れ歯)があたって痛い」といった細かな主訴のニュアンスも、録音された実際の音声を再生して確認できるため、院内の歯科医師や他のスタッフへの引き継ぎが極めて正確かつスムーズになります。

7. メール通知:着信内容を即座に院内で共有

着信があった際、受受電内容(電話番号、氏名、用件のテキストなど)をあらかじめ指定したメールアドレスへ即座に通知する機能です。

院内の受付PCや、診療室のタブレット端末などで通知を受け取るように設定しておけば、「今かかってきた電話は誰からで、どんな内容か」をスタッフ全員が瞬時に把握できます。これにより、緊急度が高いと判断した場合はすぐに処置の手を止めて折り返すなど、優先順位をつけた対応が可能となります。

患者に負担をかけない「自然な会話」〜プッシュ式IVRとの違い〜

電話の自動応答と聞くと、従来の「プッシュ式IVR」を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。「ご予約の方は1番を、その他のお問い合わせは2番を押してください」といった、電話機のボタン操作を要求するシステムのことです。

プッシュ式IVRとAI電話受付の違い

しかし、プッシュ式IVRは操作手順が複雑になりがちで、特に機械操作に不慣れな患者さまにとっては大きな負担となります。途中で操作が分からなくなり、電話を切られてしまう(離脱する)リスクもありました。

これに対し、AI電話受付は「自然な会話(音声対話)」で完結するという大きな違いがあります。AIが自然な音声で問いかけ、患者さまの回答に合わせて適切な応答を行うため、患者さまはただ話しかけるだけで済みます。高齢の患者さまが多い歯科医院であっても、抵抗感なくスムーズに対話していただける仕様となっています。

既存環境を温存して導入できる柔軟性

新しいシステムを導入する際、「今の電話番号が変わってしまうのではないか」「大がかりな工事が必要なのでは」と懸念される院長先生も少なくありません。 しかし、AI電話受付サービスは既存の電話環境を温存したまま導入できる点が強みです。

  • 番号そのまま、機材・工事不要 現在使用している代表電話番号をそのまま利用できます。専用の機器を新たに設置したり、大掛かりな回線工事を行ったりする必要がなく、お申し込みから最短2週間程度でスピーディーに運用を開始できるサービスが多く見られます。
  • 段階的な設定拡張の柔軟性 導入直後からすべての機能をフル活用する必要はありません。「まずは、どうしても出られない時の『無応答転送』だけ設定する」というスモールスタートが可能です。その後、院内運用が保険診療中心で混雑しやすい時期には「全件一次受付」に切り替えたり、自由診療主体の時間帯には直接電話を取る丁寧な対応に戻したりと、自院のペースや状況に合わせて受付範囲を柔軟に変更できます。

まとめ:自院の運用に合わせてAI電話受付を活用しよう

本記事では、歯科医院におけるAI電話受付の「一次受付」機能について解説しました。 なお、今回は一次受付機能にフォーカスしましたが、サービスの上位プランや連携オプションを利用することで、既存の歯科用予約システムへの自動書き込み(自動確定)まで可能になるケースもあります。医院の目的に応じて、どこまでを自動化するかを検討されるとよいでしょう。

公開されているサービス情報に基づく試算によれば、1日20件の受電(1件あたり3分)を想定した場合、AI電話受付の導入によって「最大で年間300時間の工数削減」が見込めるとされています。これは、スタッフの負担軽減だけでなく、本来行うべき診療業務や患者さまとのコミュニケーションに時間を充てられることを意味します。

まずは自院の日常臨床シーンにおいて、「どの場面で電話に出られないことが多いか」「どの電話をAIに任せたいか」を具体的に洗い出してみてください。そのうえで、今回ご紹介した転送設定や自動切替などの機能を組み合わせることで、診療を止めることなく、かつ電話の取りこぼしもない、理想的な受付運用を実現できるはずです。

まずはお気軽にご相談ください無料相談はこちら
サービス詳細をお届けします資料をダウンロード